秒速5センチメートル で貴樹を救いたい感想
新海誠の代表作 秒速5センチメートル
当時周りに秒速ファン(の童貞達)が大量発生してました
今見たらまた違うのでは!?という期待でなんだかんだで年1回くらいはみてしまう大いなる求心力がある作品
最近性懲りも無くまた見てしまったので思ったことを…
貴樹はどうしたら救われるのか?
なので色々考えました。
- 岩舟駅で明里が待っていない
- 明里との関係を成熟させる
- 花苗との関係を成熟させる
- さわやかに部活に打ち込む
- 踏切で振り返る
岩舟駅で明里が待っていない
→てか普通は待ってないですよね。待っていないことで理解出来ることってたくさんあるはずなんですよ。こんな時間にここまで来てしまった自分の情けなさとか、物理的に遠いことと相まってはっきりとした精神的距離も感じるでしょう。後からごめんねとか言われてもフェードアウトしそうな感じしません?待っていなかったことで色々なことに諦めがつきそうです。
でも恐ろしいことに明里はいたんですよね。夢や幻みたいな女ですよ。夢みたいな出来事ですよ、都内で暮らしてる男子にとって。何時間もかけてやってきた夜の田舎の雪原で過ごしたあの時間が人生におけるハイライトになることは想像にかたくないですよね…(結局待ってた方がストーリーとして気持ち良いな)
明里との関係を成熟させる
→岩舟駅で明里に付き合おうとか言っちゃう。その後別れてもいいんです、とりあえず1回付き合ったという関係になる。そうしなかったのは終わりを恐れてたからだと思います。
そもそも小学生のころ相合傘とか書かれてたくらい2人の関係は周りにも意識されてたんですよね。でも2人はあくまで境遇や趣味が近かったから…というスタンスをとった。明らかに好意をお互いが抱きながらこのような状態を維持してるのって堪らなく心地いいですよ、始まらなければ終わりがないし。でもそれは終わりが確定しないことでもあります。終わりがない関係をとったことが後の地獄に繋がるのだ…
花苗との関係を成熟させる
→花苗ちゃんと付き合う。1番さわやか。
スカしてないで花苗の気持ちに素直にこたえればいいんです。毎日一緒に帰ることを習慣にして事実上の彼女扱いをしながら東京に戻る予定という事実で告白されないように釘をさしてるんですよ。嫌な奴。
部活にうちこむ
→ダサいかも知れないけど良さそう。貴樹って若いのに何も楽しそうじゃないんですよ。他のこと考えた方がいいです。逆にいうと花苗には貴樹のことだけじゃなくてサーフィンがある。そういうところが花苗の強さです。
踏切で明里が振り返る
→ラストシーンで明里が振り返るエンド。
「わっ、もしかして貴樹くん?この辺りに今住んでるんだ~」なんて声をかけてくれて何気ない会話ができたら、あの時の雪原のすてきな夢バージョンでとまってる明里がアップデートされるはずなんですよ。だからこそ振り返ってくれ!!と思う、見てる人全員が思う。
ここまで振り返って思ったこと
救われるエンド、なんかださい!!
そしてもうひとつ
あの岩舟駅での出来事をこえる体験がもう無いことが貴樹の人生の絶望だって事です
正確には
長く固執し過ぎたせいで、あの出来事を越えられないと自分に自分で擦りこんで、勝手に人生を諦めてるようにみえました
上記のように
抜け出すタイミングがたくさんあったはずなのに
どうしても抜け出せない、貴樹が抜け出そうとしないことが見ているこちらは無茶苦茶しんどい
よく出来てます
でもこれってよくありますよね
いくら友達からもうそれにこだわるのやめたら?って言われてももう絶対無理な状態。他の人に分かってもらえないからこそ高尚な思い出に変わっていく過去の恋愛…絶対もう体験出来ない甘酸っぱい思い出…うわぁ…
それが秒速5センチメートルが鬱アニメといわれる要因なのではと思いました。
あと貴樹はスカしててむかつく。
おわり